「ShorTrip」とは「Short Trip」を短く言っただけの造語です。
ここではその名の通り「些細な旅」をテーマとしてお届けします。
第7回 2004年12月某日/2005年2月某日 「博物館めぐり」
今回は、都内およびその周辺に存在する鉄道博物館を巡ってきました。
(2006.5.6 「さよなら交通博物館」へのリンク追加。「電車とバスの博物館」リンク変更)
その1 交通博物館(東京都千代田区/JR秋葉原駅)→「さよなら交通博物館」はこちらから。
交通博物館は神田〜お茶の水間にあるが、 もともとは東京駅にあり、開設は大正10年(1912)という由緒ある博物館である。 この地には戦前「万世橋」という駅があった。 地下を通る東京メトロ銀座線にも同名の駅があったが、 どちらも現在は廃止されている。 |
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入り口には新幹線の名を一躍世界に広めた「0系」と蒸気機関車「D51」の前面カットモデルが展示されている。 | |
交通博物館と聞いて、一番真っ先に思いつくのはこの「1号機関車」ではなかろうか。明治5年、新橋(汐留)−横濱(桜木町)間に開業した当初から活躍した。 客車も後ろに連結されている。 |
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修学旅行列車として活躍した急行型157形 黄色とオレンジの塗り分けが特徴的だった。 いまや修学旅行も新幹線を使う時代。こんな列車があったことすら知らない世代が増えてきた。 |
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電車や機関車だけでなく、線路周辺の施設も 実際に使用されたものを展示している。 ここには距離標や勾配標識などが展示 それぞれの意味わかりますか? |
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階段を上がって2階へ 青函連絡船の模型が展示。 |
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バスのコーナーで見つけた、昔の信号機。 色灯に加え「トマレ」「チウイ」「ススメ」とカタカナで書かれていた。 その隣は最近まで実際に使われた「万世橋」停留所。 停留所自体が廃止になったため、ここに保存・・・。 |
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自動車のコーナーにて 軽自動車のはしりとなった「スバル360」(初代てんとう虫)。 車体の小ささや、室内のシンプルさにはただ驚き。 |
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二輪車のコーナーで見つけた19世紀頃に作られた自転車。 前輪にペダルがついておりそれでこいでいたようである。 |
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3階まで上ると真横に見ることのできるヘリコプターの実物。 3階には飛行機のほか、リニアモーターカーや H2ロケット(模型)も展示されておりました。 |
その2 電車とバスの博物館(川崎市宮前区/東急田園都市線宮前平駅)
小さい頃、高津にあった「電車とバスの博物館」によく遊びに行っていた。 入館料10円(現在は100円)という安さもそうだが、電車そのものが 好きになった思い出深い所である。 平成15年に宮崎台駅前に再オープン。 |
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2階から入場。 階段を下りると、もと玉川線のタルゴこと、「200形」が 出迎える。 その下ぶくれの愛嬌ある風貌から、「ペコちゃん」というニックネームをもらった。 |
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博物館の人気コーナー「運転シミュレーター」。 いくつかあるうちのこれは、東横線急行(現在は大井町線)で活躍している8090系車両。 子どもの頃はこれ目当てに通って、ライセンスも持っていましたが、 今はちょっと・・・。 ちなみに、高津あった頃と反対向きに展示されています。 |
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かわってこちらはバス。昭和40年代に活躍していた。 (後ろ向き、ゴメン) ドアやウインカー、ハンドルも実際に動作する。 この横にはバス営業所の1日の様子を紹介するコーナーがあり、ちょっとした社会勉強になるかと。 |
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横断歩道に信号機、そしてまたもや後ろ向きのバス これは初期の東急コーチ(デマンドバス)で、停留所でバスをコール (要求)するとコースを迂回して停留所に止まる「デマンドシステム」を 採り入れた。 こちらもシミュレーターです。 バスは高津から宮崎台に引越の時、公道を走れるように仮ナンバーを 取り付けて自走した。 |
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道路を渡って、イベント館へ。 その入り口に、かつての東横線の花形「デハ510形」が復元保存されている。 昭和5年のデビューから60年近く走り続け、平成3年頃に登場時の姿になった。 その向こうには、国産旅客機「YS-11」のカットモデルも展示されており、フライトシミュレーターが楽しめる。 |
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本館に戻り、中2階にある「デハ3450形」。先ほどの「510形」と同じ仲間であるが、こちらは1981年当時の状態で、前部のみの保存。 運転台からの操作で、パンタグラフが上下し、前方の台車のモーターも動かすことができ、懐かしい「釣り掛け音」が聞ける。 |
その3 地下鉄博物館(東京都江戸川区/東京メトロ東西線葛西駅)
地下鉄博物館は昭和61年にオープン。 その後、1年あまりの改装工事、保存車両の追加などを経て 2003年にリニューアルオープン。 管理人は初めて来ました。 |
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入って左に進むと、真っ赤なボディに白い帯、ステンレスのサインカーブが特徴の丸の内線用地下鉄電車「301号」。 改装の際に新しく加わり、外から見ることもできる。 多くの仲間が日本を離れ、ブレノスアイレスで活躍しているのはトリビア的有名な話。 |
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地下鉄開業は昭和2年。上野〜浅草間が最初でした。 これは当時の自動改札ともいうべき、ターンスタイル式の改札機。 10銭硬貨を入れると1/4回転して人ひとりが通れる仕組み。 コインを入れて実際に通ることもできる(コインは戻ってくる)。 |
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地下鉄開業時の車両「1001号」。廃車後交通博物館に 保存されていたが、地下鉄博物館開業の際に移転。 ボディカラーは黄色。実はこれが、「警戒色」を採用した 日本最初の車両。 中に入ることもでき、乗客の服装から当時の風俗を知ることもできる。 |
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上野駅のプラットホームを再現。休憩室にも使える。 壁のポスターや、「うへの」の駅名標が、レトロチックでハイカラな時代を彷彿とさせている。 |
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地下鉄のトンネルまで展示されている。 こう見るとずいぶん大きいことがわかる。 黄色の枠が車両限界(電車の最大の大きさ)、外の青枠が建築限界。 (上下2枚にわけて撮影) |
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地下鉄の動く仕組みを体感できるコーナー。 モデルは銀座線用「100形」を、登場時のカラーリングで保存。さきの「1000形」がゴツゴツとして厳つい感じであるのに対し、「100形」は非常にスマートで、丸みがある感じ。 運転台で台車を動かし、ドアーも操作できる。 |
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この博物館の人気コーナーはやはりこのシミュレーター 千代田線「6000形」先頭部のカットモデルが使用されている。 シミュレーターはこの奥に3台あり、こちらも人気が高いようだ。 |
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「東洋唯一の地下鉄道」という、開業当時のポスター 当時のファッションを伺い知ることのできる1枚。 |
その4 東武博物館(東京都墨田区/東武伊勢崎線東向島駅)※2005年2月訪問
東武伊勢崎線浅草駅より3駅め、東向島駅の高架下に東武博物館があります。 蒸気鉄道からスタートした東武鉄道。その歴史を探ることができます。 ここも管理人は初めて来ました。 |
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入場すると、右手に、5形蒸気機関車が保存されている。 この機関車は明治30年イギリス製で、開業当時から、客車&貨車を牽いて走っていた。当時は北千住〜久喜を結んでおり、1日7往復だったとか。 毎日決まった時刻になると、汽笛を鳴らし、動輪を回転させるSLショーを行っている。 |
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向かい合うように、東武鉄道電化の際、最初に製作された、 「デハ1形」が保存。 正面の5つ窓、大きなパンタグラフが特徴。 |
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東武は高度成長期から近年まで貨物輸送を行っていた。そのときの電気機関車がこの「ED5015」形機。 | |
その隣に置かれていたバス。 昭和30年代に活躍していた「オーバーキャブバス」とよばれる車で、それまでのエンジンが前方に張り出していた「ボンネットバス」に対し、エンジンを客室に押し込めて前をすっきりさせている。そのため、運転席の真ん中にエンジンが鎮座している。 その隣にちょこっと見える物体は、華厳の滝を一望できた明智平ロープウェイのゴンドラ。 |
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その奥には、かつて特急「きぬ」「けごん」として活躍していたロマンスカーが、カットモデルとして保存されている。 館内から車内に入ることができ、外観は外からでないと見えない(写真は館外より撮影)。 車内にジュークボックスが装備されていたが、特急の座をスペーシアに譲り、引退した。 |
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ロマンスカーの車内はこんな感じ。 格調高く、非常に落ち着いている。 |
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隣には、日光軌道線を走っていた路面電車がいる。 日光への観光客や地元住民の足として活躍した200形 2両1組で、連結部分に台車を持つ「連接車」。昭和40年代初めまで活躍した。 これも館内から車内に入ることができ、外観は外にでないと見えない(写真は館外より撮影)。 |
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東武沿線をイメージした大パノラマ模型。 何にも走っていませんでしたが、こちらも時間になるとパノラマ運転ショーを1日数回行っている。 |
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2階にはこんなものが・・・。 地元向島の伝統工芸や、江戸の祭りについて紹介したコーナーがある。 |
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博物館を出て、国道6号(水戸街道)を渡ったところに、もう1台の蒸気機関車「6号機関車」がいる。これも明治30年イギリス製。 水戸街道で、東武線の高架橋の下にある。 |
いずれの施設も、きわめて社会的に有用な施設だと思いますので、一度足をお運びすることをおすすめします。
<URL>
交通博物館>http://www.kouhaku.or.jp/
電車とバスの博物館(レールファン東急)>http://www.railfan.ne.jp/tokyu/hakubutsukan1/index.shtml
現在はこちら→http://www.tokyu.co.jp/railway/railway/west/link/museum.htm
地下鉄博物館>http://www.chikahaku.jp/
東武博物館>http://www.tobu.co.jp/museum
<参考文献>
「鉄道ピクトリアル」2004年7月臨時増刊号(特集:東京急行電鉄)
「鉄道ピクトリアル」2005年3月臨時増刊号(特集:東京地下鉄)
その他、各博物館のパンフレット ほか