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ShorTrip
「ShorTrip」とは「Short Trip」を短く言っただけの造語です。
ここではその名の通り「些細な旅」をテーマとしてお届けします。

 第7回補足 2004年5月 「博物館めぐり」補足「さよなら交通博物館」

   2006年5月14日を最後に、85年の歴史に幕を閉じることになった交通博物館。
   閉館を2週間後に控えたある日、最後の訪問をしてきました。
   
前回訪問時(2004年12月)と併せて見ていただくと良いかと思います。

 交通博物館を訪れたのはじつに2年ぶりのこと。
早起きして上京したのだが、万世橋のところですでにたくさんの人が行列を作っていた。
お別れ記念イベントの一環として、中央線の側線に、ブルートレイン「出雲」と、それを牽くディーゼル機関車が展示されている。「出雲」も、今年のダイヤ改正で廃止されてしまった・・・。
 玄関にある「新幹線0系」と蒸気機関車「D51」の前面カットモデル。さよならのヘッドマークと、5月なので鯉のぼりがいる。ちょっと元気ないみたい。
交通博物館は閉館になるけれど、来年秋に新たに「鉄道博物館」として埼玉に再オープンすることになった。

それにしてもスゴイ人波だこと。
1階に鎮座する2台の蒸気機関車。
左が「9850型」で、右が「C57型」。

さよなら記念のヘッドマークはかつての特急「はと」「さくら」を模したようである。
「1号機関車」。明治5年、新橋(汐留)−横濱(桜木町)間に開業した当初から活躍。のちに島原鉄道に譲渡されたが、昭和11年の鉄道博物館(当時)開館にあわせ、ここに展示されることになった。
絵本「きかんしゃやえもん」の主人公でもある。

さよなら記念のヘッドマークはかつてのブルートレイン「富士」のマークを模したもの。記念写真を撮る人があまりにも多くて多くて、カット1枚撮るのも一苦労・・・。
もともと交通博物館は、実物の展示はもとより、精密な模型を数多く展示していた。これはそのうちのひとつ「9600型」で、当時蒸気機関車も製造していた川崎造船所が製作。
模型は鉄道にとどまらない。三菱ふそうの製作した路線バスの模型。

さらにはこんなものも。
音速の旅客機「コンコルド」で、実際、日本航空(JAL)が導入を検討するために模型を製作したそうだ。しかし、資金不足でこの計画は断念。現在はコンコルドそのものも引退している・・・。
休憩室の奥に、謎の遺跡を発見!

・・・というほど大袈裟な話ではないのですが、旧「万世橋」駅の遺構の一部を公開している。
(注)博物館が企画している、旧万世橋駅遺構見学(完全予約制)とは別物です。

後の蛍光灯や自分の影が写りこんじゃったな?
もうひとつ、特別企画として旧「万世橋」駅の模型が再現されている。さらに、ここでは、残っている万世橋駅のようすを映像で紹介している。

この駅舎の跡地に今の交通博物館がある、というのは間違いで、駅の敷地内に博物館を建設(昭和11年)し、のちに駅が休止(昭和18年)になり、博物館が残った、というわけ(戦争激化のため昭和20〜21年休館)。
館内を歩いていて、突如「カンカンカン」という鐘の音。
何かと思ったら、踏切の警報機だった。上に付いているのが本物の鐘。今みたいな電子(電気)音ではなく、金属的な甲高い音で、うるさい。

いずっぱこ(伊豆箱根駿豆線)とか岳南では今もこのタイプの警報機が稼働しています。
1階の混雑からさけるため2階へ。
ここは船舶、自動車(道路交通)のコーナー。

帆船の代表格として今も横浜に現存する「日本丸」の模型。
なに?この自動車は?
これこそ、ベンツ最初のガソリン動力の自動車。
高級車ベンツのルーツはじつは三輪車にあった!
かくれイベント(?)として、道路コーナーでは、昔の道路標識も展示。絵と日本語/英語の説明文が併記されていたんですね。
さらにこんどはこんな二輪車を発見。
これこそ、今はやりの電動自転車の元祖ともいえるのでは?

ただし、動力はガソリンエンジンで、さらに自動二輪の免許が必要だったそうです。あくまでも自動二輪車という扱いでしたので。
2階からは、交通博物館の85年もの歴史を大きなパネル写真で紹介しており、それを観ることができます。
(1階からは少々見づらいです)
3階は、航空機のコーナー
右は、ライト兄弟よりも先に飛行原理を考えついたという日本人、二宮忠八による「玉虫型模型飛行機」の設計図。忠八は鳥や昆虫を観察した末、飛行原理を発見したのだが・・・。

蛇足ですが、先日、某民放で二宮忠八を取り上げていましたね。
ジャンボジェットの「車輪」。
飛行機をみると小さな車輪も、実物を見ると結構大きい。
(写真に写っているこどもと比較してみよう)
甲府にある「山梨リニア実験線」の説明パネル。
リニアモーターカーが「夢の乗り物」として憧れだった時代は
もはや過ぎ去った過去のことなのか?

・・・そう思われないよう、早いところ実用化して欲しいところだが。はたしていつになることやら。
 おいらも忘れてもらっちゃ困るよ〜。なにも動力がなくても、人がいれば立派に人を運べらい!と言ったかどうかは定かではないが・・・(なぜか江戸っ子言葉)。

 最近、またこの人力車をよく見かけるようになった。もっとも、交通手段というよりは、観光事業の一環として利用されているのが実状のような気がするが。
 上から1階の様子を1枚。
子ども達はみんなシミュレーター(電車や汽車の模擬運転コーナー)に夢中のようだ。

どの親御さんも大変そうですね。
こちらも子ども達に大人気だった、鉄道模型の大パノラマ。
運転会が終わったところで、さりげなく1枚。めちゃ暗い。

だって上演中は人垣で全然見えないんだもの〜。
屋上に上る。
最初に見た、ディーゼル機関車を写す。

上から見ると、かつての万世橋駅は結構大きなターミナルだったなと改めて実感。
館外から撮影。
この日は非常に天気も良く、暑かった。
GW休みを利用して遊びに来た家族連れを多く見かけた。

特徴のあるガラス張りの階段(左端)も、もう見納め。

そして・・・交通博物館は、新しく「鉄道博物館」として生まれ変わります。



これが「鉄道博物館」のイメージ模型
写真の都合で横向きになってしまったが、規模の大きさが伺える。
そして、今予定されている展示車両のラインナップ。
総勢35両。その中には、あの新幹線や、あの機関車が・・・!

個人的には、鉄道博物館とはいえ、交通博物館の流れを引き継いで、
鉄道以外の交通も紹介してくれるコーナーがあると嬉しいのですが・・・。

オープンがいまから待ち遠しいですね。

<URL>
 交通博物館>http://www.kouhaku.or.jp/
 鉄道博物館(2007年10月14日オープン)>http://www.railway-museum.jp/

<参考文献>
 「交通博物館 TRANSPORTATION MUSEUM(頒布パンフレット)」 ほか

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