「ShorTrip」とはすなわち「Short Trip」
「鉄道」に、「食」「ウォーキング」を絡めた「些細な旅」をテーマとしてお届けします。
第19回 2017年2月 「京都鉄道博物館」(上)
昨年4月のオープンから間もなく1周年。これから春にかけて、ホットなスポットになりつつある
京都鉄道博物館を訪問しました。
ボリュームが過去にないほど大きくなってしまったので、今回上巻下巻としてまとめました。こちらは上巻です。
下巻を先にご覧になりたい方はこちらから
Chapter.1 エントランスホール&トワイライトプラザ
梅小路公園の一角、かつて梅小路蒸気機関車館の あった場所に、2016年4月にオープンしたのが「京都鉄道博物館」 逆三角形の建物が未来的で、知らず知らずに引き込まれる印象 |
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入場券を購入してエントランスホールに入ると、 国鉄時代の高速列車がずらっと並んで来場客を出迎える |
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向かって左が、戦後に特急「燕」などの優等列車を牽引した 「C62」型蒸気機関車 狭軌蒸気機関車での最高速度129km/hを記録した ボイラーや動輪の大きさ(直径1,750mm)はまさに圧巻 |
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真ん中が、高速電車の礎となった「80系」電車 グリーンとオレンジの「湘南色」(関西ではカボチャ色)の元祖 この車両の登場により、これまでの客車列車よりも、 電車輸送の優位性が確立したとされ、こだま型特急や のちの新幹線にもその思想は受け継がれてゆく 余談だが、JR藤沢駅に、同系をモチーフとしたキオスクがある |
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そして、ご存じ、世界にも通用する「SHINKANSEN」の元祖0系! 今更説明はいらないかもしれないが、最高速度210km/h(当時)は まさに「夢の超特急」だった。 こちらは4両が編成で展示されている |
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その、夢の超特急の運転席 今から思えば、横に長い速度計なども含め、 非常にアナログチック 右側の縦方向のレバーがマスコン(アクセル)で 左の横方向ハンドルがブレーキ 当時の機関車に倣ったともいわれている |
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C62に牽引されているシチュエーションで、旧型客車も保存 こちらは「マロネフ59」 1台の台車に車輪が3つ装備されているのが特徴。 形式に「ネ」とついていることから、こちらは寝台車 |
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ドイツ国鉄の機関車を思わせる「DD54」(左)と、こちらもご存じ 「国電103系」(右) 103系は大阪環状線のオレンジ(もとは東京の中央線急行(今の 快速))を纏うが、東京ではウグイス(黄緑)、カナリヤ(黄)、 スカイブルー、エメラルドグリーンの計5色だった。 近年、地方都市で走る同系は、地域独特のオリジナル色で 走っているところもある。 |
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続いて、本館脇のトワイライトプラザへ 昨年惜しまれつつ引退した「トワイライトエクスプレス」の 機関車、客車が展示されている 濃緑カラーのトワイライトエクスプレス牽引機「EF81」電気機関車(右)と、 戦後の優等列車、ブルートレイン牽引に活躍した「EF58」電気機関車(左) |
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先頭にスイートルームを備える「スロネフ25」 とにかく人気が高かった 展望室兼応接室、専用シャワールーム、ベッドルームを 備えていた。 |
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これが、トワイライトエクスプレスのエンブレム | |
隣の機関車は、主に貨物輸送に活躍した「EF65型」電気機関車 のちに登場する仲間の500番台、1000番台は、プルートレイン 牽引にも使われ’70年代後半のブルトレブームを 文字通り牽引した |
本館に入ると、目の前に、夢の特急たちが勢ぞろい これだけでも心奪われる |
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向かって左は今も現役、ファンも多い「500系新幹線」 新幹線で初めて営業運転300km/hを達成した、画期的な新幹線 現在は山陽新幹線にて、8両編成の「こだま」で活躍中 最近は「エヴァンゲリオン」のラッピングが人気 |
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右は、先ごろ引退した「485系」電車 交直流電車といい、電化されている区間(直流、交流50/60Hz) であればどの路線も走行可能なため、 全国のL特急に使われた ヘッドマークは大阪〜青森間を走行した「雷鳥」 |
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そして、真ん中が「581系(583系)」電車。 昼間は座席特急、夜間は寝台特急という昼夜兼用車として 活躍した。 当初は、まだ新幹線が新大阪どまりだったころ、「月光」号として 大阪〜博多間の運用に就き、 のちに583系として全国(主に東北方面)で活躍する。 JR東日本に最後まで残っていた6両1編成も今春、引退することになった (2017.4.8にラストラン) 間近で見ると非常に重厚感漂うのは、車両限界ギリギリの大きさで 設計されたからだろう。 |
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583系(クハネ581形)車内。車外から撮影 手前は座席(昼)、奥は変形して3段の寝台(夜)を形成する |
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こちらは2代目新幹線の100系 性能はほぼ0系を踏襲しながらも、2階建てグリーン車&食堂車を 連結し、スピードよりもサービスの充実さ、豪華さを追求した 車両だった |
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100系新幹線の横には、「昭和乃駅」という、文字通り 昭和のノスタルジックな駅を再現したコーナーがある |
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駅に停車していたのは、特急「くろしお」に使われていた気動車 「キハ81形」 長いボンネットが、ダックスフントを連想するのは自分だけか? |
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貨物列車の機関車、といえば、最強の馬力を誇る「EF66形」 後年ブルートレインの旅客牽引用にも活躍 EF66は、下からも見学できるよう、ピットに見立てた 台の上にあり、他の車両よりも高い位置にある |
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車体下のピットに潜り込み、この最強機関車の足回りを 見ることができる 出力は最大3,900kWhで、日本の機関車の中では間違いなく 最強 |
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貨車は基本的に乗車はできません(!)が、 乗務員が乗る車掌車「ヨ5000」 緑色(青大将)は、かつての貨物特急「たから号」に 使用された。 隣(奥)の連結されているのが、「ワム3500」という有蓋貨車 大正時代の製造 |
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日本中どこでも見られた、ディーゼル機関車「DD51」 非電化の本線系で旅客列車、貨物列車牽引に使用され またブルートレイン「北斗星」でも重連で運用された。 |
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DD51も、ピットから足回りを見ることができる 電気機関車との構造の違いがわかる |
小休止2 食堂車のはなし
本館2階の、レストラン 非常に広く、大きな窓もあり、梅小路の蒸気機関車や 新幹線をはじめとした列車を眺めながら食事を楽しめる この日は平日で空いていたとはいえ、子供連れの家族が 窓側の席をほとんど使われていた |
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この日、注文したのは「まかないハチクマライス」 食堂車の賄い飯として人気があったという、ロコモコ丼風 |
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食事の間、これまであえて紹介しなかった食堂車を紹介 エントランスホールにあるこちらは、新幹線0系の「35形」 新幹線開業時からある、軽食がとれる「ビュフェ」車 車両の真ん中に業務用の扉があるのが特徴 |
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同じくエントランスホールの旧型客車「スシ28形」 昭和8年と、戦前製の客車 ちなみに記号に「シ」があるのが食堂車 |
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ブルートレイン用の「ナシ20型」客車 こちらでは、隣に駅弁を売っており、車内で食べることができる |
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食堂車としては最高級レベルだろうか? 「トワイライトエクスプレス」の「スシ24形」 車体の形状が他の寝台客車と違うのは、電車特急 (489系)から改造されたため |
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おなか一杯になったところで、本館屋上へ (車両見てお腹一杯になるのは・・・(^^;) 左手は梅小路の機関庫。正面は東寺と、京都から発着する 新幹線、在来線、貨物線 |
Chapter.3 本館 その2
入口にあるSL「230形」 現存する国産の蒸気機関車の中ではもっとも古い、 明治36年(1903)製 少し見えにくいが、機関車の後ろは2階へ上がる エスカレータがあり、その壁面には引退した機関車 (SL,EL)の銘板が並ぶ |
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SLもうひとつ。こちらは英国から輸入した「1800形」 京都〜大津間の開通時に、この勾配区間に投入された 鉄道記念物に指定 |
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前面の大きなデッキが特徴の電気機関車「EF52」 貨物列車の牽引に活躍した |
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本館の端のほうに、展示引込線というのがあり、 検査ピット工場を模した造りになっている |
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このコーナーは、展示車両が不定期で入れ替わる 訪れた日は、トワイライトエクスプレスのオハ25(上)と、 カニ24(左)、オハ46(下)という旧型客車が展示されていた |
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2線の真ん中にある階段を上ると、普段は見えない 天井から車両を見学することができる 模型製作をされている方には参考になるかも |
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ここで、車両以外の展示物を少し。 電車が動く仕組みをモデル化して遊べるコーナー 連結器のしくみ、車輪が脱線せず曲がれる仕組み、 ブレーキの仕組み(写真)などが、遊んで学べる 工夫がされている |
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鉄道との接点といえば、もちろん踏切 警報機、遮断機も本物を操作することができる 正面の警報機は現在主流のLEDにより全方向から見える タイプ。反対側はおそらく昔の電球タイプと思われる |
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そして、本物の運転台が動かせるコーナーも。 0系新幹線やEF66、DD51の本物の運転台が動かせるとあり、 記念写真をとる人も多かった これは横向きに配置された、DE10の運転台 |
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交通科学館から移転した、101系電車(左) 車体の内部が見られたり、主幹制御器でモーターを 動かしたり、パンタの上げ下げ、ドアの開閉ができると あって、遊びに来ていた子供達に大人気のようす |
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こんな感じに・・・(^^; 見づらいけれど、鉄柵の中、下部ガラス越しに本物の モータがあり、動かすことができる この中から、本物の鉄道マンが誕生するのだろうか? |
ここまでご覧いただきありがとうございます。このつづきは下巻にて to be continued・・・
<参考URL>
京都鉄道博物館 http://www.kyotorailwaymuseum.jp/
<参考書籍>
JTBのMOOK 京都鉄道博物館のすべて(JTBパブリッシング)