Railway & RailwayModel
  ・・・現在、こんなことに熱中しております。
筆者の所有するNゲージのコレクション、及びレイアウト製作記なんかを取り上げたていきたいと思ってます。

Episode.11 鉄道模型で見る東急たまでん物語II 報告
       (玉電開業百周年 記念イベント)
 


往年の渋谷駅を思わせるエントランス

 1907年3月6日、三軒茶屋〜道玄坂上間を、ある鉄道が開通しました。
当時「ジャリ電」と呼ばれたその電車は、後に「たまでん」の愛称で親しまれることになります。
路線は渋谷から二子玉川園または下高井戸へ、さらに二子玉川園から砧(きぬた)へと延びました。
昭和44年5月に渋谷〜二子玉川園〜砧本村間が廃止になり、渋谷〜二子玉川園間はその後地下鉄・新玉川線(現在は田園都市線と統合・改称)となりましたが、三軒茶屋〜下高井戸間は東急世田谷線として今も沿線住民に親しまれています。

 開業から100周年に当たる今年、三軒茶屋のキャロットタワー内にある「生活工房」にて、これを記念した模型運転会が開催されましたので、その様子をここに報告します。

出入口の横には、大型の玉電(80形)の模型が・・・!
乗用みたいですが、今回はイベントのマスコットになってました。
HOゲージ(カルタゴサロン)では、現役当時の玉電を忠実に再現。
渋谷駅には百貨店ビルもできている!
05年12月の1回目からは比べものにならないほどパワーアップ
中里付近の折り返しができるモジュールも追加。
もちろん三軒茶屋も充実。
下高井戸方面はこの先若林まで延長されていました
Nゲージ(T-TRAK Network)では、現在の世田谷線と、
往年の玉川線・砧線を再現。
新作の下高井戸駅は、出入口のすぐそばにあったためか、
子供達に大人気でした。
特に圧巻なのは、砧線を(ほぼ)コンプリートしたこと!
TVにも登場した中耕地駅やこの野川鉄橋は特に注目の的でした。


 ジオラマで再現された風景を見て、自然と、誰からともなく、昔の思いでを語る人が・・・。
 ここでちょっと耳を傾けてみましょう・・・((注)せりふは多少、脚色しています)

(1)ある男性の話。赤電(s30年頃の試験塗色車)のことを書いているパネルを見て、
 「あの赤色の電車は知ってるよ。昔走ってたけど、消防法の関係からすぐやめてしまったんだ。
 しかも、(電車の色を)赤色に決めたのは、あの五島慶太氏だったんだ・・・」


(2)ある女性の話。世田谷線モジュールを見て、
 「私は三軒茶屋のお茶屋さんに嫁いできて、それからずっとここに住んでいますけど、この町もすっかりきれいに変わりましたね。
 大きなビルも昔はなかったですし・・・(嫁いできたのは)もう60年も昔のことですが」

3月3日の様子。チラシやポスターの案内、またケーブルTVで
このイベントを知った方々が大勢遊びに来てくれました。
大人も子供も、そしておじいちゃん、おばあちゃんも精密に再現された
自分たちの住む街に大変喜んでくれたみたい。
それにしてもケータイやデジカメで記録する人が随分増えましたな。
今回、新たに登場した二子玉川園駅モジュール。
旧作だそうだが、数年の時を経て、完成系がお目見え。

砧線の電車がホームに入ってくるところです。
たまでんの人気者で「ペコちゃん」「タルゴ」とも呼ばれた200形。
張殻(ちょうかく)構造と呼ばれる車体、床面高さを低くした、今でいう
バリアフリーを見越した高性能車だったが、玉川線廃止とともに姿を
消してしまった。
今は宮崎台にある電車とバスの博物館で見ることができる。


子供たちは次々にくる電車をカメラに収め、年輩の方はパネルに
再現された資料や懐かしい写真にじっと見入っています。

「あっ花電車が来た!」「今度はたまでんカラーだよ!」
子供も大人も真剣な眼差しで電車を追います。
3月4日の様子。前日にTV番組「アド街ック天国」で紹介されたことも
あり、このイベントを知った方々が大勢遊びに来てくれました。
そのため会場内は大混雑!


この日1日だけで3,500人近くの来場者があり、主催する生活工房さん
もこれだけの来場は前代未聞だそう。
しかしこっちは、お客さんが怪我しないか、事故が起きないかと終日
ヒヤヒヤしてました(汗)

ちなみに、この日の写真はこれ1枚だけです。
生活工房の3階では、たまでんの写真展が開催されています。
1回目の模型運転会はここでやったのですが、改めてみると狭い・・・。
懐かしい、赤地の方向幕も・・・。当時、渋谷から二子玉川方面は
白地、下高井戸方面は赤地でした。
写真展は3月31日まで開催していますので、興味ある方は是非。
最終日(3月7日)は仕事があったので午後から参加。
幼稚園や小学校の終わった子供達や、夕方には、仕事帰りの
サラリーマンも最後にもう1度、と大勢遊びに来てくれました。
まだ電車見た〜い、と帰るのを嫌がる子供の手を引いて帰る
お母さん。気がつけばもう閉館時間。ふつうの家庭では夕食の時間だ。
期間中、ずっと思ってたのですが、小さいお子さんを持つ
ママさんってほんと大変ですねぇ。
最後はいつものとおり私の出展作品をば。
今回は本来見せる向きと逆になりましたが、その代わり手前に
モジュールをひとつ追加しました。
このイベントのために用意した世田谷線「Pasmoカラー」。
元々自分でピンク色に塗り替えた300型にシールを自作して
貼り付けたものだけど、子供にもわかってくれてたみたい。
よかった。


 最後に
 今回の「たまでん物語II」、9日間でのべ8,000人以上の来場者だとのこと。特に4日(日)は約3,500人、最終日も1,200人もの来場者ががあったとのことで、非常に密度の濃い、そして有意義なイベントだったなと感じました。
これだけ熱心に、小さなジオラマを見ていただける人、しかもこの地に根付き、生活の中で玉電と接してきた人が大変多く、そんな人たちの声に耳を傾けると、一様に感じるのが、みな玉電が好きなんだな、愛してるのだな、ということでした。

毎年やってほしい、というご意見もありましたが、どうでしょう?
でも個人的には、今は少し充電期間がほしい、って思います・・・。

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