第5回 スネークマン・ショーってなんだ!?
SIDE A 70年代末期のゲリラ的ラジオ番組
1976年から80年頃にかけて、衝撃的なラジオ番組が、月〜金の夜、15分だけ放送された。
その内容は徹底したギャグ・パロディ・エロティックのオンパレードとその間の音楽で構成された、れっきとした「音楽番組」だった。
当時、誰がMCを担当していたかは秘密だったらしい。謎の男「スネークマン」と、その取り巻き達によるエンドレス・ギャグが瞬く間に駆け抜けていく。折しも訪れた当時のニューウェーブに乗っかって、後にレコード化までされてしまった。YMOもスネークマンショーのファンだったらしく、'80年のアルバム「増殖」は,YMOの曲とスネークマンのギャグが交互に展開。番組のスタイルをそのままアルバムにしたような仕上がりとなっている(オリコン1位も記録)。
80年代初頭に番組が終了。しかし、スネークマンは、アルファレコードから再デビューする事になった。
最初のアルバム「スネークマンショー」では、YMO、シーナ&ザ・ロケッツ、サンディーなど、当時のアルファ所属のアーティストも参加。細野晴臣氏作曲の「咲坂と桃内のごきげんいかがワン・ツゥ・スリー」は、今で言うラップのはしり(?)とも言われる名曲。
その後、2枚目として「死ぬのは嫌だ、怖い、戦争反対!」を発表。スネークマン流「愛と誠」がふんだんに収められた。
では謎の集団、スネークマンショーの正体は・・・・。実はこの方達でした。
桑原 茂一氏 ・・・現在選曲家。絶妙な選曲は彼によるもの。
小林 克也氏 ・・・タレント・音楽評論家。
スネークマン(名前の由来は小林氏がヘビ年だったため)をはじめ、架空のキャスター
「咲坂守(さきさかまもる)」ほかの声を担当。
現在「Sm@Station」でのナレーションで有名。
伊武 雅刀氏 ・・・ラジオ放送当時、宇宙戦艦ヤマトのデスラー総統の声を担当。
架空のキャスター「畠山桃内(はたけやまももない)」、「ジャッキー大山」ほかの声を担当。
現在は押しも押される(^^;いぶし銀の演技が魅力な俳優として活躍。
ほか、ミキサーとして田中ミチタカ氏が担当していました。
<What's Snakeman Show?〜スネークマン・ショーって何だ?>
「急いで口で吸え」。70年代末から80年代初頭、パンク&ニューウェーブの波に浮かれるいたいけなヤング&やる気満々な業界人の度肝を抜いた集団がいた。絶妙に選曲された音楽とそれをつなぐ図抜けたギャグが駆け抜けるゲリラ的ラジオ番組。正体不明な3人組。後にレコード化されるに至って正体は桑原茂一、小林克也、伊武雅刀と判明。
折しも訪れたテクノポップのムーブメントともリンク。時代にトラウマをきっちり刻印。それが、「スネークマン・ショー」であった。
(2001年に発売されたラジオ・スネークマンショーのライナーより一部抜粋)
SIDE B CDラインナップ
アルバム名 | Photo | Memo | |
1 | スネークマンショー (急いで口で吸え!) |
スネークマンショウ・遂にレコードデビュー!共同プロデュースに細野晴臣氏を迎え、YMO、シーナ&ザ・ロケッツ、サンディーなど、当時のアルファレコード所属のアーティストが多数参加。 ※ラップのはしりともいえる「咲坂と桃内のごきげんいかがワン・ツゥ・スリー」や、伊武雅刀主演「Stop The NEW-WAVE」はお奨め! |
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2 | 死ぬのは嫌だ!怖い!戦争反対! |
(注:筆者は上記アルバムとカップリングで持っていますのでジャケ写真はありません) | 前作の大ヒットを受けたセカンド・アルバムにしてラスト・アルバム!?ギャグは徹底的に「愛」と「平和」を追求した作品。 ※YMO的には、坂本氏の「ジムノペティ」(エリック・サティ)や、高橋氏の「今日、恋が」が聴けます。 |
3 | スネークマンショー海賊版(BOOTLEG) | 発売当時はカセットのみのリリースで、そのデザインは○ン○ームだった! ラジオ当時の炸裂したギャグを収録したはこの作品は、ときに人を困惑させるものがあった。ブートレッグというタイトルも、その辺を皮肉っているのかも?、 ※YMOメドレーが聴けますが、でもそれよりはスネークマンのギャグが何よりも強烈!心臓の強い人は一度聴くべし!? |
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4 | ピテカントロプスの逆襲 | 中西俊夫氏、佐藤チカ氏による「メロン」や」中西氏、屋敷豪太氏、バカボン鈴木氏らとのユニット「ウォーター・メロン」の楽曲と、伊武氏によるギャグの構成。ピテカントロプスとは、桑原氏が当時原宿にオープンさせたクラブの名称。 おすすめの曲(?)「ジャンキー大山ショー」ライブ会場でジャッキー大山(伊武雅刀氏)が会場でいってはいけない言葉を連発! |
おまけ
2001年,ヘビ年にちなんで,当時のラジオ音源がCDとして発売されていた。
「RADIO SNAKEMAN SHOW」 ワーナーミュージックより発売された。 Vol.02,.03を所持。Vol.01は持ってません (ジャケの色は黄色) |
当初、全9枚を発売する予定で、9月に最初の3枚は発売されたものの、内容のあまりの過激さゆえ、すぐに発売中止。レコード店からもいつの間にか回収されてしまった。
持っているひとは、非常に貴重だと思いますので、中古として売らないでね。
おまけその2
1998年、YMO結成20年目の年に、こんなアルバムが発売されました(みんな知ってた?)。
「増長」 XOOPRESUMPTUOUS YMO&爆笑問題+長井秀和 |
当時のお笑い界のトップをひた走っていた爆笑問題(太田光・田中裕二)と「真実の話」でおなじみ長井秀和氏が、選曲家・桑原茂一氏のプロデュースにより、YMOとの夢のコラボレーションが実現。
爆笑問題、と言うよりは現在(98年当時)のスネークマン・ショウと言った感じに仕上がって、少し毒気は薄くなっている。
YMOの曲は「増殖」からと、「YMOのカバ」といわれたカヴァー曲が収録されていた。
※おまけで紹介したCDは、現在廃盤です。
(2004.1.1)
(第6回に続く)